自己紹介


大阪から参加している橋本 弘英(ひろえ)です。
医療用医薬品専門広告代理でディレクターをしています。
 


書籍紹介


私がおすすめする本はこれです。

NEO HUMAN(ネオ・ヒューマン)究極の自由を得る未来
著者:ピーター・スコット・モーガン  藤田美菜子(訳)
出版社 ‏ : ‎ 東洋経済新報社(2021/6/25発売)
https://amzn.to/3ifD3IB
 


本の要約・引用・おすすめポイント


この本に興味を持ったキッカケは、以前仕事でALS(筋萎縮性側索硬化症:運動ニューロン疾患(MND)のひとつ)について学ぶ機会があり、ALSに興味を持っていたからです。

ALSについては、スティーブン・ホーキング博士が罹患されていたり、研究の支援や疾患の認知の為の運動として、アイスバケツチャレンジを行っていたことでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

ALSは根本的な治療を行う事ができず、運動神経が障害され、身体を動かすのに必要な筋肉が徐々に痩せて力が無くなって病気です。
徐々に自分の力で身体を動かせなくなり、呼吸をする筋肉も弱ってしまうので人工呼吸器を付けなければ、2年~5年で死亡する方が多いと言われています。
ですが、眼球を動かす神経は障害されないという特徴もあります。

この本は、著者がロボット工学の博士号取得者でALSに罹患したことをきっかけに、自分の身体を研究対象としてその内容を自伝にしたものです。

治療法が無い病気に対して、QOLの低下を最小限に抑えるために、ロボット工学やAI技術・仮想現実を駆使して「自分のサイボーグ化」を実現されています。

簡単に紹介すると、主に以下のような事をされています。
・筋肉を動かせるうちにAIに自分の動きを覚え込ませた、ロボットアームや、特注の車椅子型ロボットを使って眼球の動きだけで自分の動きたいようにできるようにした
・気管切開で、声が出せなくなるときのために、あらゆる声のパターンを録音して、声が出せた時と同じように眼球の動きとAIで流暢に話せるようにした
・顔の表情が動かせるうちに、色々な表情を録画しておき、現実に生活しているときのように表情のアバターを画面に表示できるようにした

P396
彼らは、MNDに対する思い込みのせいで死にかけている。
生き延びるための方法が存在しないからではない。
死ぬのは当たり前だ、
あるいは死んだほうがましだという考え方が定着しているせいで、死に瀕しているのだ。
私自身はたいへんな幸運に恵まれたと言える。
地元デヴォンのNHS関係者はみな、私の考え方を全面的に支持してくれた。
彼らもまた、私が目指す治療のあり方はほかのMND患者の規範になるだろうと信じていた。
一方、この1年間で私のもとには世界中の見知らぬ人々からゾッとするような経験談の数々が寄せられていた。
人間にとって当然の権利であるべき生命維持医療を拒否された人々が、世の中には大勢いるのだ。
その問題を、建前上はMND患者の権利を守ると謳っている複数のチャリティー団体に提起したところ、この手の議論は「慎重に行わなくてはならない」との返事だった。
なぜなら「医療業界を刺激するリスクがあるから」というのだ。
問題が解決できないというリスクについては、まったく想定していないかのようだった。

私が感じたことは、不治の病の患者さんに以前では考えられなかった、信じられないような希望を与えた功績の大きさです。

私自身が、ALS(MND)という疾患は、効くかどうかわからない薬を投与し
病気の進行を恐れながら、だんだん全身の筋肉が衰えていくのに対して、介護を受けながら、できるところで対処するしかない(QOLはだんだん低下していく)
という印象を持っていました。

ですが、著者はとてつもない大きな壁を前に
・自分の身体を研究対象にしてして、未来を変えていこう
・自分が作った実績を元に、医療業界に変革をもたらそう
という発想を持ったことに大きな衝撃を受けました。


読後感、この本を読んでのビフォーアフター


実際にどのような現実が待っていたかは、著書を読んで確かめていただきたいのですが、もう、山有り谷有り…予想外の信じられないような事も起こります。

まわりを取りく人々の、信じられないような自分勝手さと、暖かさの落差にも驚愕します。

また、医療技術の進歩と、それを補う技術(ロボット技術やAI・仮想現実)の現状を知り具体的な未来をイメージすることができました。

肉体と仮想現実の自分の境界が今後どんどん曖昧になることは想像していましたが思った以上に、間近に迫っていることを実感しました。

そして、もう一つ忘れてはならないのが、
絶対的に信じられるパートナーの存在の大きさです。

人は一人だと、弱っているときに立ち直るのが困難な事が往々にしてあります。

著者はLGBTQの方なので、その為に、少年時代からひどい仕打ちも受けるのですがその後、さまざまな困難を一緒に乗り越えてくれるパートナーと出会い、
その方への愛があふれていました。

自分自身も、家族だったり友人だったり
絶対的に信じられる人たちをこれからも大事にしていきたいと強く思いました。
 


どんな人におすすめか


・将来・未来に漠然とした不安を持っている方
・ALS(筋萎縮性側索硬化症:運動ニューロン疾患(MND)のひとつ)について興味のある方
・今、乗り越える事が困難と思われることに直面している方
・今後のロボット技術、AIや仮想現実に興味がある方
・LGBTQへの偏見について、問題意識のある方