開催レポート【「言葉にならない違和感」を、行動に変える ネガティブ・ケイパビリティ特別トークイベント】

2026年2月23日(日)に『存在の声に耳を澄ます』の著者、小林範之氏が語るネガティブ・ケイパビリティ特別トークイベント「『言葉にならない違和感』を行動に変える」を開催しました。

今年初のイベントは大いに盛り上がりました。
参加者も90名近くの方にご参加いただきました。

ご参加いただきました方、心より感謝申し上げます。

それでは、当日のイベントの模様をご紹介します。

イベント概要

【①著者・小林範之さんへのインタビュートーク】

今回は小林範之さんと野見将之さんのインタビュー・対談形式で行われました。
以下のような内容でした

1.ネガティブ・ケイパビリティの「新しい解釈」

一般的には「答えの出ない状況に耐える力(レジリエンス)」や「決断を先送りする能力」と捉えられがちですが、著者の小林さんは原典(詩人ジョン・キーツの手紙)に立ち返り、別の視点を提示しています。

・耐えるのではなく「留まる」: 苦しさに耐えるというより、不確実性や神秘の中に、イライラせずにいられる資質のこと。

・「ネガティブ」=「目に見えない世界」: ポジティブを「顕在化した目に見えるもの」とするならば、ネガティブは「言葉になる前の、目に見えない未現象の世界」を指します。

・美の感覚との直結: 思考体系を通さず、直感的に「目に見えないもの」とつながる力を意味します。

2.「存在の声」に耳を澄ますということ

著者の小林さんは、ネガティブ・ケイパビリティを「存在の声に耳を澄ます」ことだと表現しています。

・エゴを脇に置く: 自分の利益や「こうあるべき」というエゴ(思考)を離れたとき、インスピレーションや「書かされている」という感覚が降りてくる。

・自己矛盾を受け入れる: 「白黒つける(二項対立)」のではなく、矛盾する両方の感情をそのまま自分の中に持っておく(アンド思考)。

・他者への想像力: 自分の違和感だけでなく、他者の背景や存在にも関心を払うことで、真実の声が聞こえてくるようになります。

3.日常でどう活かすか(実践のヒント)

違和感を大切にする: 他人が気にしなくても、自分の中に生じた「モヤモヤ」を無視せず、言葉にしたり深掘りしたりして大切に扱う。

・リラックス状態を作る: インスピレーションが湧きやすい「デフォルト・モード・ネットワーク」状態を意図的に作る(散歩、入浴、単純作業など)。

・他者との関係性を意識する: 自分一人で完結せず、周りとの関係性の中で「生かされている」という感覚(他力)を信頼する。

「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉の意味を私は全く知りませんでした。
今回小林さんのお話をお聞きして、まず小林さんがこの本を「次の社会の教科書」として書かれたということを知り、視座の高い豊かな感性の素敵な方だなと感じました。

そして、「言葉にできない、もやもやとした自分にとっての違和感を受け止める力が『ネガティブ・ケイパビリティ』で、未来を変える力があるのではないか」というお話に、私もなるほど!と共感し、私もこの感覚を大切にしたいと思いました。

【②ビジョナリー読書クラブの紹介】

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続いて、ビジョナリー読書クラブの青木香代さんからクラブの活動をご紹介しました。
クラブは会員制でさまざまな活動を行っていますが、その中でも核となるのが読書会です。

イベントでは、読書会の様子を少しだけ体験いただきました。
私たちの読書会では、本からの「引用」、そこからの「気づき」、そして今後の行動を「ビジョナリー宣言」として発表します。
その後、参加者からフィードバックをもらう流れです。

この「今後の行動まで宣言する」という仕組みが、他の読書会と一線を画している点です。

そこで、今回の『存在の声に耳を澄ます』の著書で「引用」、そこからの「気づき」、そして今後の行動を「ビジョナリー宣言」を(参加者の方に)していただきました。

(引用)
・ティール組織にもこの「善」にあたる概念があります。それが「インティグリティ(integrity)」です。日本語では「誠実さ」と訳されますが、より本質的には「自分自身に対する誠実さ」を意味します。

・たとえば、ライバル企業が不測の事態に見舞われ、市場シェアを大きく失ったとき、自社にとってはチャンスとばかりにシェア拡大を喜ぶ人もいれば、「明日は我が身」と慎重な姿勢を崩さない人もいると思います。
 そうした個人的な同情や共感の声は、会議のような、会社の“表”の場では歓迎されることなく、むしろ、「場違いだ」と受け取られてしまうものです。
 インテグリティとは、そうした葛藤のある場面でこそ、真価が問われます。「自分は今、何を感じているのか」「本当はどうしたいのか」―そんな内なる声に気づけるかどうかが重要です。

・メンバーに求められるもっとも重要なものは「インテグリティ」、つまり、「誠実さ」です。一人ひとりが「駆け引き」ではなく、自分の内面との「自己一致」を基盤にして、それを素直に表に出していなければ、組織はたやすく崩壊に向かってしまいます。

(気づき)
・多くの職場では「本音と建前」を使い分け、違和感に蓋をして働くことで、個人の活力(生きた力)が削られている。
・自分に嘘をつかない「誠実さ(インテグリティー)」を保てる環境こそが、組織の崩壊を防ぎ、活力を生む鍵である。
・本音を出しても否定されないという安心感、つまりそれを受け止める周囲の環境と心理的安全性が必要である。

(宣言)
・私自ら誠実な本音を出していくとともに、他者の、他の方のどんな意見も受け入れる。一瞬違うと思っても、そこに可能性を感じて、受け入れることから始めます。

これに対するフィードバックを参加者のお一人からいただきました。
さらに、著者である小林範之さんからも、気づきと宣言に対して、
「インテグリティと多様性の重要性を鋭くとらえた、非常に素晴らしい宣言でした」
という、有り難いフィードバックをいただきました。

③小林範之さんへの質問

最後に質問コーナーでした。
ビジョナリー読書クラブ代表の川合 健一さんが担当されましたが、時間の都合上、
『みなさまが考えるネガティブ・ケイパビリティとは?』
をチャットに書き込んでいただきました。

一部をご紹介します。
・自然体で生きる力
・自分に誠実であること
・もやもやする私自身を受け止める
・生きる力
・自分を信じて直感を受け入れる力
・全ての感情をちゃんと味わう力
・嫌な相手を祝福する力

などなどたくさんいただきました。

参加者の声(アンケートより抜粋)

みなさまからいただいた感想の一部をご紹介します。

・自分のモヤモヤを愛でたいと思いました.小林さんの話を聞き出した方の進め方あり方がとても良かったです。ありがとうございました。
・ネガティブケーパビリティ、なかなか難しいけど、もやもやを大切にしてみます。
・小林さんのお話で書籍を読む以上にネガティブケイパビリティのイメージが広がった。
・もやもやはなかったことにせず酵母として育てていく。既存の意味や概念に落とし込まずに自分の中で生まれたものを抱えて考え続けてみるということを大事に、と改めて感じました。
・グレーの存在に気付き、見つめ、聞いてあげて、一緒にいてあげること=持ち抱える力をこれからは他者優先しがちを緩めつつ、自分のために育てていきたいです。
・曖昧さ&自身で感じる違和感 大切にします。

初めての方限定【初めてのビジョナリー読書会】のお知らせ

ビジョナリー読書クラブでは、初めての方限定・無料の読書会を毎週日曜朝7時から開催しています。
スタッフがしっかりフォローしますので、「興味はあるけど不安…」という方も安心してご参加いただけます。

ご参加お待ちしております!

初めての方限定【初めてのビジョナリー読書会】参加無料
https://visionary-reading.com/first-visionary/

文:松井 裕志(ビジョナリー読書クラブスタッフ)