ケイト・マーフィー 篠田真貴子(監訳) 松丸さとみ(訳)
2021年8月9日
日経BP社
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昨今、「心理的安全性」や「1on1」など、誰もが発信できる風土が必要といった風潮があります。それにともない、SNSでの効果的な発信方法など、自分の意見を述べるテクニカルスキルのほかに「共感」や「傾聴」が大切であるといった話を良く耳にするようになりました。

そんな中で、数年前にアメリカで出版された本書が日本語版として発刊されました。監訳者は、「聴くことでみんなが幸せになる」を世の中に広めることを価値観として企業の従業員に1on1をサービスとして提供している会社で役員をされている篠田真貴子さんです。

「聴く」ことは、人間らしく生きていくために必要なことで、その訓練を私たちは受けていない、と、この本では最初に主張されています。

聞くことで私たちは、人を愛し、物事を理解し、成長し、周囲と絆を深めています。聞くとは、人間の営みそのものなのですね。

監訳者前書きより

「誰かの話を本気で聞く」とは、多くの人に忘れ去られた、もしかしたらそもそも身につけたことすらなかったかもしれない、そんな資質です。
(中略)
「聴くこと」には努力が必要です。 読書と同様に、状況に応じてじっくり聞くときもあれば、軽く聞くだけというときもあるでしょう。 しかし注意深く読む能力と同じように、注意深く聞く能力もまた、それなりの頻度でやらないと低下していきます。

Chapter1 「聞くこと」は忘れられている より

本書では、聴くことがうまくできている人を「優れた聞き手」と表現し、「優れた聞き手になるためには」を説明し、「優れた聞き手になれば」といった、その先にある世界の素晴らしさが述べられています。
「聴くこと(LISTEN)」の世界の素晴らしさを体験したくなる、そんな一冊です。
発信ばかりで疲れている人、うまく傾聴したいと思っている人、誰かが話しているときに被せて話す癖のある人、ついつい人にアドバイスしたくなる人、人の話をきちんとは聞いていないかも?という心当たりのある人に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

レビュアー

杉本輝美

頑張って働く会社員です。