すばらしい人体
著者 | 山本 健人 |
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出版社 | ダイヤモンド社 |
発売日 | 2021年 08月 31日(火) |
推薦者:金原久美子
推薦者・金原久美子について
金原久美子と言います。ぱらと呼んでください。
私はIT系の会社でデジタルマーケの部署にいて人材開発の仕事をしています。 読書会には最近、参加ができていなかったのですが、今月からぼちぼち参加し始めております。よろしくお願いします!
おすすめポイント
まず冒頭のはじめにの部分の引用です。
「人体がいかに素晴らしい機能を持っているか。健康でいる限り、私たちはそのことになかなか気づけない。
私たちはたとえ走っている最中でも道路標識を読むことができ、前から歩いてくる人をよけることができる。頭は上下に激しく揺れているにもかかわらず、視界が揺れて酔うなどということはない。」
いかがでしょうか。
私はこの部分を読んで、普段、当たり前になっていることですが実は人体はとても精巧に作られているのだなということに気づきました。
もう一箇所、引用します。 こちらぜひ、みなさまもやってみてもらえるでしょうか。
「あなたは今、この本を椅子に座って読んでいるだろうか?
もしそうであれば、まず正面を向き、頭の位置を前後に動かさずに立ち上がろうとしてみてほしい。きっと全く立ち上がれないことに驚くはずだ。どれだけ足に力を入れようと、腰は少しも浮き上がらないはずである。 」
いかがでしょうか。
私は全然立ち上がれませんでした。
続きを引用します。
「では次に、何も考えずに立ち上がってほしい。おそらく最初に頭を思い切り前に突き出して、その後ようやく腰を浮かせるはずである。椅子から立ち上がるためには、まず「前屈する」という動作が必要なのだ。
なぜだろうか?その理由は単純で、重い臀部を持ち上げるためには、頭の重さでバランスを取る必要があるからだ。 」
——-引用中略——-
「私たちの体を構成する「部品」はそれぞれがかなりの重量を持っている。体重が50キログラムの人であれば、頭は5キログラムほどもある。足は一本あたり約10キログラム、腕も一本4~5キログラムほどあり、意外なほどにずっしり重い。
私たちは日頃、自分の「部品」の重さを自覚することがほとんどない。これほど重いものを毎日「持ち運んでいる」にもかかわらず、意外にもそのことに気づかないのだ。
頭や手足は、肩や背中、臀部の大きな筋肉で支えているため、重さを感じにくい。
生まれてから今に至るまで、必要な筋肉が必要なだけ鍛えられている。
体は自らの「部品」を持ち運ぶのにもっとも好都合に発達するからだ。 」
この部分からの気づきですが、私は体を動かすことはあまり好きではないタイプで筋肉もあまりありません。
ですが、普通に歩くことができている、部品を持ち運ぶことができているということを改めて実感し、筋肉のありがたみを再認識しました。
なので筋肉を今のうちに鍛えておいて、年を重ねても動ける体でいたいと思います。
今、引用した部分は第1章「人体はよくできている」の始めのほんの一部分になります。
この他には、第2章「人はなぜ病気になるのか」第3章「大発見の医学史」第4章「あなたの知らない健康の常識」第5章「教養としての現代医療」と全5章にわたっています。
今回引用した部分以外にもお伝えしたいなと思うところはたくさんあります。
健康な人が床ずれにならない理由やとてつもない肛門の機能の話、アレルギーが起こる理由など、なるほどと思う話が満載です。気になった方はぜひ読まれることをお勧めします。
読後感
また、医学というと難しい印象がありましたが、とてもわかりやすい文章でスラスラと読めましたし、医学史についても18世紀以前は手洗いが常識ではなく、感染症という知識もなかったので、瘴気(有毒な空気)だと思われていた、そんな時代から医師や学者が研究を重ねて病気となる原因を追究してきたことが書かれていて、大変興味深く読めて、現代の医療のありがたみを感じました。
この本を読んだことで自分の体の当たり前に動いている内臓一つとっても、実はとても精巧にできているんだと健康であることのありがたみや、医学史へのありがたみなど、さまざまな感謝を感じることができました。
こんな人におすすめ
この本は体への感謝を再認識する機会にもなりますので、すべてのみなさまにおすすめの一冊です。