上流思考
著者 | ダン・ヒース/櫻井ゆうこ(訳) |
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出版社 | ダイヤモンド社 |
発売日 | 2021年 12月 14日(火) |
推薦者:松田展尚
推薦者・松田展尚について
兵庫県芦屋市から参加しております松田と申します。
仕事は食品メーカー様に特化したIT基幹システムの営業をやっております
おすすめポイント
現在、会社の改革を行っているのですが、本屋さんで見つけて目からうろこの気づきがあった本です。
上流思考と聞くと「上流階級の思考」か?と思われる方もいらっしゃるんですが、そうではなく、下流・上流の意味で、川上の思考を言ってます。
川下で発生している細々とした課題を、川上でせき止めてしまおう、という思考です 。
本の中での説明では次のように紹介されています。
「後手に回るより、先手を打とう」(P.25)
「起こってしまった危機にただ対処するよりも、危機そのものを起こらなくする」(P370)
これが上流思考です。
具体的にはどんな事なのか1つ引用します。
オンライン旅行会社「エクスペディア」の事例です。
エクスペディアで予約を入れた顧客、100人のうち58人が、予約後に問い合わせの電話をかけてきたというのだ。
オンライン旅行サイトの一番のウリと言えば電話をかけずに自分でネット予約ができることだ。
同社のコールセンターは、効率化と顧客満足度向上を使命としていた。担当者は顧客を出来るだけ早く満足させるための訓練を受けていた。顧客との通話時間を短くすれば、その分のコストを抑えられる。
「コストを削減出来れば、使命も達成できるという訳です」『10分の通話を2分に短縮するにはどうしたらいいか』といつも考えていました。でも本当に考えるべき問題は、『なぜ2分なのか?そもそもなぜ通話が発生しているのか?』だったのです」
ではなぜこんな事が起こるのか?というと、セクションで仕事が分かれており、顧客が問い合わせをせずに済むようにする事を目指す部門は1つも無かった。
要は減らしても業績評価されないんですね。
この問題は、「問題盲」と言い「そういうものだ」と思ってしまう事が原因だ。他にも、「トンネリング」と言って、日々の対応に追われ「目の前の問題」しか見えなくなる現象も多くの原因を生み出す。
これらの解決法として、「戦略的にゆとり時間をつくる」と書かれています。
この本の事例は、ビジネスだけでなく、医療・病院、行政、人権・社会問題などこういう「上流」に正面から取り組んだ数々の具体的事例が書かれています。
是非、思い当たる事があれば、一度手に取って解決法を探ってみられる事をオススメします。
読後感
時間が無いと考える余裕が無いので、毎日夜に、今日の仕事は上流で改善は出来ないものか?をメモするようにしています 。
こんな人におすすめ
- 日常の仕事に忙殺されている人。
- 改革を行いたいリーダーの方。
- LISTEN
- すばらしい人体