リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術
著者 | 熊平美香 |
---|---|
出版社 | Discover |
発売日 | 2021年 03月 20日(土) |
推薦者:杉本輝美
推薦者・杉本輝美について
こんにちは。杉本輝美です。
本業では人事給与のアウトソーシング会社でシステム開発と業務コンサルティングを行う部署の責任者として、また一部のプロジェクトのプロジェクトマネジメントもしてます。
副業では、契約先企業の従業員に1on1を行い、「聴く」をお届けする仕事もしています。
どちらも人の話をよく聞く、理解する、ということが大事なお仕事です。
おすすめポイント
上期の年間アワードは選定にかなり迷いがありました。
例えば、「ライフピボット」「Free,Flat,Fan」「ウィニングカルチャー」などなど・・・。
でも、どの本を読んでも共通していたことがあることに気づきました。
それは、「私は自分のことをきちんと理解しているんだろうか」つまりは「自己認識」が大切だということです。
自分がわかっていないと、いろんな危険が今の世の中にはいっぱいありすぎて、うっかりしていると、良くない負のループに足元をすくわれるような気がしていました。
なので、「自己認識を高める方法」として、リフレクションのワークのある本書を推薦することにしました。
著者はピーター・センゲの「学習する組織」をきっかけに様々な教育エリアで活躍されています。
この本を「学習する組織」「学習する国」になるためのハウツー本である、と位置付けて本書をを具体例と共に世に出したそうです。
内省は個人の考え方を俯瞰するために大切なものであり、内省の正しい技術を身につけていってほしい、という著者の強い願いを感じる一冊になっています。
人は、何もしていなくても、何らかの経験をします。
また、その経験によって、「好き」「嫌い」とか「いい」「悪い」などの感覚や「〇〇すべき」などの価値観を見出したりすることもあれば、何も感じず、ただ素通りしていくだけの出来事もあります。
であれば、自分にとってインパクトのある経験とそれに伴う感情から生まれる自分なりの価値観をきちんと言語化して、私なりの世界観を自己認識、自己理解していきたい、そんな気持ちにこたえてくれたのがこの書籍です。
リフレクションの目的は、あらゆる経験から学び、未来に活かすことです。どのような経験にも、たくさんの「叡智」が詰まっています。経験を客観視することで新たな学びを得て、未来の意思決定と行動に活かしていく。
これがリフレクションです。
リフレクションの基本として、本書では次のメソッドを紹介しています。
自分を知る
ビジョンを形成する
経験から学ぶ
多様な世界から学ぶ
アンラーンする(学んだことを手放す)「はじめに」 より
この引用だけでも私はわくわくしてきました。
そして、この本には、そのメソッドをワークできるパワポの特典もついてきます。早速ダウンロードしました。
リフレクションを実践する前に、まずはすべてのベースとなる「認知」の枠組みを整理するフレームワーク「認知の4点セット」を押さえましょう。 このフレームワークの目的は、メタ認知(認知していることを認知する)力を
高めることです。
事実や経験に対する自分の判断や意見を、「意見」「経験」「感情」「価値観」に切り分けて可視化することによって、
自分の内面を多面的に深掘りし、柔軟な思考を持つことができるようになります。
(中略)
リフレクションの難しさは、自己の認知に依存するところにあります。人間は、自分の見たいものを見たいようにしか見ないと言われます。その状態でリフレクションを行っていても、大きな収穫を得ることはできません。
自分が何を知覚してどのような判断をしたのか(意見)、その背景にはどのような経験や感情、価値観が存在しているかを知ることで、初めて自分のリフレクションを俯瞰することが可能になります。「第1章 リフレクション 基本の5メソッド」より
読後感
ちょっとした嫌なことや、感動したことなどをこの認知の4点セットで書き出してみるところから始めてみました。
すると意外な意識してこなかった価値観の見極めができたり、気づかなかった自分のしがらみなどに気づくことができたりしています。
本業でも、副業でも、活用してみました。
また、この本のワーク(パワポでのリフレクション実践)もやってみました。
「アンラーンのためのリフレクション」「自己変容のためのリフレクション」「ぶれない軸を持つリフレクション」の三つは、かなり俯瞰して自己認識を高められたのと同時に、今、私が描いている「なりたい私」や「大切にしたい価値観」を発掘したり、「捨てる価値観」も見つけられたりと、モヤモヤしている暗黙知的な内面が文字になり、スッキリしました。
こんな人におすすめ
内省するときには「なぜ」を問いがちですが、この本では「何」を問うことを自然にリードしてくれます。
それが、スッキリの要因であり、このスッキリ感を皆さんにも味わっていただきたいなと思います!
- ライフピボット
- 取材・執筆・推敲 書く人の教科書