進化思考

進化思考
著者 太刀川 英輔
出版社 海土の風
発売日 2021年 04月 23日(金)

推薦者:櫻井 和博

櫻井 和博

推薦者・櫻井 和博について

製造業で開発企画の仕事をしています。
今回紹介する本は、会社の同僚に進められて買った本です。
本屋で見ても買わなかったと思います。なぜかと言うと読みにくいからです。
読みにくさ故に、積読状態になっていましたが、
新刊を選ぶ際に、再度手に取り、気合いで読み返したところ、
その良さに気づくことができました。

おすすめポイント

アイデアをひねり出すときに使うオズボーンのチェックリストと同じように、
本書では9つの切り口が示されている。
オズボーンは左脳的なのに対し、進化思考は右脳的で、
左脳、右脳の両方を使いこなして、創造性を発揮できるようになれます。

「進化思考」とは、生物進化を参考にすれば、
みんなもっと創造的になれるっていう本です。
著者の太刀川さんのビジョンは「創造性教育で世界を変えていく」です。
太刀川さんは2025年大阪万博の基本構想ワークショップのメンバーです。
創造性は誰もが持っているが、誰にも教わることなく、
むしろ、教育がそれを否定してきた。と著者は言います。

生物の進化は、「変異による試み」と「適応による選択」の
2つを繰り返すことによって起きる。
「適応による選択」は、
「未来の予測」と「過去の系統」、
「内部の解剖」と「外部の生態」という4つの側面で理解すると、
例えば、皆さん自身にとっては、
所属する組織の目的を過去から系統的に語ることができ、
内部の構造を深く理解して、その将来像を考えることができるようになる。
つまり、組織において、誰かに指示される必要がなくなると同時に自信が生まれ、 自分自身の思い込みからも解放されて素直になれる。

読後感

自己啓発ってわかってるけど、できねーから困ってんだよ、
みたいなところがありますが、
本書のような読みにくい本・読みごたえのある本を読んで、
今回のように発表内容を考える過程で、
知識が増えるというインプットの読書体験だけでない、
自分の頭で考えるというアウトプットの読書体験ができた。
この本を紹介してくれた会社の同僚に
アイデア出しのファシリテータをしてもらって、
進化思考のパワーを現場で確かめていきます。

こんな人におすすめ

正解を求める教育、例えば、手を上げて先生が求めることを答える、のような。
例えば、セミナーで、隣の人の似顔絵を描いてください。というと、
大人同士だと渡すときに、「ごめんなさい」、
子ども同士だと、キャッキャと盛り上がる。
うまく描けなくてごめんなさい、正解できなくてごめんなさい、
というのが、大人にはある。
そういう点で、学校で良い子だったのに、
仕事で、創造性が発揮できない、という人におすすめ。
ただ、本はとにかく読みにくいので、Youtubeから入るのをおすすめします。